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色彩配置におけるヒーロー像、今昔

ヒーロー(特撮であったり、アニメであったり)に関する番組がありました。で、ふと、思うことがありました。 さて、この配色は何でしょうか?
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そうです。ウルトラマンです。 この配色は見事です。時代は高度経済成長期、オリンピックも開催された時代。多分、日の丸をイメージしていると思われます。私も子供時代、よく見ました。が、うまくいく時代が永遠に続くとは限りません。オイルショックが来たのです。スーパーマーケットにトイレットペーパーを買い求める長蛇の列。私も、買いに行かされました。 で、次なるヒーローです。これは何でしょうか。
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仮面ライダーです。 昆虫のバッタをイメージしたものだそうです。色彩的にはカモフラージュといって、周りの色に溶け込み敵に見つかりにくくする効果があります。日の丸を想起させる単純なヒーローとは違う、どこかアンチなヒーローです。 次にこれです。
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覚えていますか。人造人間キカイダーです。 少々悩める時代に現れた奇抜な色使いのヒーローです。このヒーロー、悪のささやき(笛の音)を聞くと頭を抱えて苦しみます。正義と悪?色彩的に言うと対比という効果です。当時は気持ち悪いという意見もありました。が、この対比色のヒーローは意外な所で人気を博したそうです。場所はハワイです。ハワイの極彩色溢れる環境では、この対比色も違和感無く、見られたのでしょうか。 時代が進むにつれ、ヒーローは変化します。
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今でもファンがたくさん、機動戦士ガンダムです。 これは典型的な工業製品における配色です。いずれ大量生産される兵器ですから色彩配置も分かり易いものと設定されたのでしょう。がしかし、この新型ロボットのパイロット、戦いの度に悩み続けます。弱音を吐くヒーローなのです。 それに対して登場するのは、
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シャアです。シャアの乗るロボットはいつも赤です。赤は色彩的には、注意、警戒、警告、を表すことが多い色です。シャアは、戦いにはいちいち悩みません。 で、時代は混迷の時代へと進みます。で、登場するのは、
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エヴァンゲリオンです。 この色使い、色彩的にはハレーションというやつです。ヒーローなのに妙に毒々しい。時代が進むにつれヒーローは正義の味方を表すものではなくなってしまいました。 この色使い、「黒」を入れると良く解ります。 毒蛾の幼虫を彷彿させるのです。 以上、ヒーロー像の色彩配置あれこれについて考えてみました。色使いは、その時代時代で強く変わっていきます。流行の服がその典型だそうです。 色彩の勉強、頑張っていきたいと思います。ちなみに私はしがない印刷オペレーターですけれど。